現場の確認は笑顔と感謝の気持ちで

ものづくりの話

工場の現場の状況を確認し現場で起こっている事実を知るのは少し工夫が必要です

月次会議での報告では本当のことはなかなかわかりません

ですので、自ら現場に出かけていくことも必要です

しかし、責任者や経営者が現場を確認する時、現場リーダーはどうしても警戒心があり、なかなか本当の現実を話さない場合もあります

また、経営者が現場リーダーに見てほしい観点を理解できておらず、うまくコミュニケーションが取れていない場合もあります

これらの問題に対して「笑顔」と「感謝の気持ち」はかなり有効な方法です

経営層が現場の情報を得る手段

工場責任者や経営者(社長、担当役員、工場長を想定しています)が製造の状況を知るには、主に会議での報告があるかと思います

生産会議、PSI会議、生産性改善会議、安全会議、品質会議いろんな名前でいろんな会議があります

これらの会議は月次、週次、毎日、色々なパターンがありますが、それだけでは十分な情報がを得ることができません

やはり経営者自ら現場に入って、現場リーダーの生の声を聴くことが有効な場合もあります

その時の考え方について書きたいと思います

(ちなみに、トヨタ生産方式では「大部屋」と称する場所で関係者が毎日集まりレビューします
このレビューの考え方は、また別の記事で書きたいと思います)

現場を見るだけでは正確な情報は得られない

現場に経営層が直接入って、現場リーダーにヒアリングしても簡単には現実の情報を得ることはできません

理由の一つは、経営層が直接現場リーダーと会話するのは、会社のヒエラルキーを無視しているからです

特に、海外の会社ではヒエラルキーは絶対とも言えます

ですので、部長~課長~現場と指示、情報が流れるようにするのが大原則です

しかしながら、その階層を通すことにより情報の正確性が失われることは普通にあることです

ですので、直接現場に行くことになります

しかし、ヒエラルキーがあるので現場は警戒心を持ちます

「社長に変なこと言って、課長が機嫌悪くするんちゃうやろか」

「ネガティブなことを言って社長機嫌悪くならんやろか」

みたいな感じですね

現実の情報を得るのが難し理由のひとつは「警戒心」になります

もう一つの理由は、現場リーダーが経営者が見てほしい観点で自分の現場を見ることができない場合ですね

非常に効率の悪い生産ラインを、とりあえずラインが止まっていいないからOK

必要以上に在庫を持って効率悪く生産しててもOK

しょっちゅう部品が切れているけど、余裕のある生産計画のため、簡単に挽回できる

等々、なかなか会話がかみ合わないですね

現場の現実を知るためには

この、現場の現実を知るための有効な情報が「笑顔」「感謝の気持ち」になります

「なんじゃソレ(*_*;」

って思うかもしれませんが、これ本当に有効です

まず、毎朝(週に3回程度でも)笑顔で挨拶しながら現場を回ってみてください

3か月で工場の雰囲気が変わることを実感します

現場との距離が近づきます

その上で、リーダーに状況を聞いてみましょう

「昨日の生産は上手くいったか?」

「なんか困りことないか?」

最初はネガティブな情報を出したがりません

当たり前です

叱られるまではいかないまでも、現場リーダーとしてマイナスなイメージを経営者に持たれることを恐れるからです

この時の、態度が「笑顔」であり心構えこそが「感謝気持ち」です

ネガティブな情報を提供してくれたら

笑顔で「問題を見つけてくれてありがとう」

これです

昨日の日報を見て、不良が増えていたら、不良が増えたことを指摘するのではなく「不良を見つけてくれてありがとう」です

部品が切れて生産が止まったら、「部品が切れた中、リカバーしようと頑張ってくれてありがとう」

もちろん、改善活動してくれていたら「改善してくれてありがとう」です

生産が予定通り完了していたら「生産達成ありがとう」

この時は、でも、「生産上手くいったけど、なんかロスすることや小さな問題、困っていることないか」これを聞くのも必要です

そして、現場の改善意識を醸成します

とにかく「ロスを見つけることが良いことだ」と言う雰囲気、意識作りです

これ聞くときは必ず「笑顔」と「感謝の気持ち」

皆さん、いかがでしょうか

まとめ

現場を見るときの「笑顔」と「感謝の気持ち」の重要性を書いてみました

昔話で恐縮ですが、私が日本で初めて働いた工場に、現場の入り口に鏡がありました

新入社員ながら違和感感じたのですが、かなり年月が経過し私が部長になったころ、先輩からその理由を教えてもらいました

「ケビン!! なんで工場の入り口に鏡があるのか知ってるか?? あれな、お前の入社前の担当役員が工場入る前に、怖い顔していないか、笑顔ができてるか、を確認するために取り付けたんやで。お前もいつも怒ってばかりやけど、現場であんな顔してたら、誰もホントのこと話しくれんで」

かなり、印象に残っている話です

工場経営を担当して10年以上3社目になりますが、この言葉を実行するには、時間がかかりました

頭でわかっていても、実行は・・・・

てな感じでしょうか

きっかけは、笑顔での朝の挨拶するために毎朝現場にいくことをはじめたことです

皆さん、だまされた気で一度試してみませんか

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