【ものづくり】の記事の実践:海外製造会社の経営を担当して学んだこと(7)考え方を伝える時の障害

ものづくり

その一部です

「ものづくり」保存版
長年モノづくりに従事し、考えてきたことをブログにしました モノづくりにかかわる皆さんの仕事に少しでもお役に立てれば嬉しく思います

今回、今まで記事に書いてきたような考えをどのような経験をもとに自分の中で構築し、実践してきたか、自分の仕事を振り返っています

今回はその7回目

前回の記事では、2回目のタイ赴任

【ものづくり】の記事の実践:海外製造会社の経営を担当して学んだこと(6)全く知らない部門への異動
まで、記事に書いてきたような考えをどのような経験をもとに自分の中で構築し、実践してきたか、自分の仕事を振り返っています。今回は、2回目のタイ赴任。まったく製品の知識も人間関係もない現場で、奮闘しました。

商品のことを全く知らず、人間関係も全く無い部門で如何に自分の考えを伝え活動していくことの難しさを書いています

前回はスキル編

今回は、マインドの醸成について書きます

会社員として育った環境の異なる人たちに、新しい考えを伝えることの障害についてです

現場力強化の両輪

これまでの記事で何度か書いてきていますが、

現場の能力を強化するには

「トップの意思」 「教育」 「評価」

が重要です

【改善活動が継続する文化の醸成】について考える
現場での改善活動はどこの製造現場でもトップの方針として必ず上げられる方針です。そして、取り組む現場も多いかと思いますがなかなか定着しません。定着するためには何が必要か。結論として、最終的に「トップの意思」 「教育」 「評価」この三つではないかと考えています。

その中での「教育」

スキルの教育

・改善マインド教育

を両輪として実施する必要があります

前回記事では全く考え方の異なる新しい部門でのスキル教育について書きました

今回は、マインドの教育についてです

新しい部門での改善マインド教育

改善マインドの教育といっても基本は同じ

・トップの方針に基づき

・課題を設定し

・PDCAを回して課題を解決し

・これを繰り返し、仕事の標準のレベルを継続上げることで現場力が強化され

・会社の競争力が向上する

これらを愚直にするだけです

ただ、これも新しい部門ではなかなか難しい

前のタイの会社は、

人間、保守的です

新しいこと、経験のないことにはチャレンジするのを躊躇します

それも、まったく知らない他の部門から来た人間に言われるとなおさらです

私の力不足と言われればそれまでなのですが・・・

強制的にするのは定着しないと考えているので、その気にさせることが重要と考えまずは上記の基本をことある毎に伝えていきました

改善活動の「基本」の理解を妨げるもの

現場力強化の基本は先に書いたように以下の項目です

・トップの方針に基づき

・課題を設定し

・PDCAを回して課題を解決し

・これを繰り返し、仕事の標準のレベルを継続上げることで現場力が強化され

・会社の競争力が向上する

私の中では極めて当たり前のように思えます

でも、異なった環境で過ごした人は、当たり前と思えない部分があります

また逆に「こんなん当たり前やんけ」と思いながら全然間違った理解をしている人も結構います

今回の赴任先の従業員たちが、私の言うことを「当たり前に思えない」こと原因についての私なりの結論は

でした

とにかく、毎年KPIを設定し、KPIの達成のみで評価される

社長なら販売、利益、在庫、キャッシュ

製造なら、生産性、ロスコスト、工程品質等

こんな感じで

KPIは非常に大事な要素ですが、それのみを追っかけると問題があると考えています

これらがすべてではないですが、私が感じた主な問題点です

それぞれの問題で重なる部分もありますが少し解説してみます

①達成の為に何をするかを評価しない

最悪なケースは「単に数字を挙げているだけ」の場合

「20%改善」(100を120にします)

私は、この点が一番大事だと考えています

これが「課題の設定」です

しかし、まったく「どうやって」を考えていない場合があります

仮にどうやって達成するかを考えて資料にしていても、

KPIを達成した場合でも、

「どのような課題を設定し、解決して達成した?」

と必ず確認

失敗した時は、担当は多くの場合環境が変わったことを理由にします

その時は

「よくする活動は実行したか?」

「その活動はうまくいったのか? 失敗したのか? 失敗から何を学んだのか」

このレビューが必ず必要です

しかし、KIPばかり追っかけるとこのようなレビューがおろそかになり、現場力の強化にはつながりません

②KPIを達成した時点で終わりになる=ベストを目指さない

目的的に仕事をしていないとこうなります

あくまで、現場力の強化を目指しているのにKPI達成が目的になっているため、自分の努力でなく環境の良化でKPIを達成しても、そこで満足しています

満足すると、活動が止まってしまうことはよくあることです

③未達の時、環境の責任にし活動のレビューをしない

①と重なりますが、KPI未達の時に環境に原因を求め、課題解決のための活動をレビューしなくなります

本当はそこに失敗があれば、その失敗から学ぶことが大切なのですが、失敗を許さない文化があると失敗を隠す傾向がありますね

④成長性を意識しない

KPIを達成するために、KPIをできるだけ低く設定するケースも発生します

「そのKPIは前年からどれだけよくなった」

と私はよく聞きます

必ず成長させるKPIを設定するよう教育することは重要です

まずは今までの常識を変える

ということで、上記のような「KPIを重視しすぎる」文化の中、なかなか私の言う改善の「基本」を理解してもらえません

ですが、時間をかけて話あっていくしかありません

最終的には、実行できるようにはしたのですが、レベルはマチマチでした

一番の悩は「課題」の意味の共通認識です

前にも書きましたが多くのメンバーが「課題」=「問題」と理解していました

結局「課題」を「チャレンジ」と言葉を変え、

と聞くのが一番効率的だったと思います

そうやって考え方を変えてもらう=今までの常識は常識でないことを理解してもらう

これがなければ、なかなか変われません

まとめ

製品の知識も人間関係もない新しい赴任地で経験した、

改善マインドの教育をするのに障害になるもの

「KPIを重視すぎる」

問題について書いてみました

反論もあるかもしれませんが、皆様に考えるきっかけにしていただければ嬉しく思います

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