海外工場に赴任すれば、ローカル社員とのコミュニケーションは非常に重要です
少なくとも心あるローカル社員は、経営トップの双方向のコミュケーションを望んでいます
しかし、経営トップがコミュニケーションを十分に実行できていない現実があります
経営トップとローカル社員とのコミュニケーションに対する考えを記事にしてみました
海外工場でのローカルと経営トップとのコミュニケーションの現実
私の経験と他社の人との話のなかで感じたことの範囲ですが、経営トップとローカル社員とのコミュニケーションの現実をは下記の状況と感じます
◇会社の規模
会社の規模が大きいほど、ローカルとのコミュニケーションが少ない傾向があります
それはある意味当たり前かもしれませんが
理由として、会社の規模それ自体がコミュニケーションを取りにくくしているだけでなく、大きい会社ほど日本人出向者が大きいことが理由と思われます。
社長も情報を得るため、思いを伝えるためにツイツイ日本人と話しがちになります
やっぱり、言葉の壁は大きいです
さらに、ローカル社員との考え方の違いもあります
文化も考え方も異なるローカル社員に自分の考えを伝えるのは、本当にエネルギーを使います
情報も得るにもなかなか、こちらの質問に適切に答えてもらえません
やっぱり、日本人の方が伝え易く、聞き易いですね
まぁ、日本人にも伝わらないことも多いですけど・・・・
◇ローカルの登用
ローカルをどれだけ登用しているかでも変わります
主要ポストにローカル社員を登用しているとコミュニケーションを取りやすいです
そりゃそうですね
すぐ下の直属の部下がローカル社員ですから
幹部を日本人で固めるとローカル社員とのコミュニケーションとりにくくなりがちです
話少しそれますが、ローカル社員を幹部に登用したとき、厄介なのが、不正の問題
どこの東南アジアの会社も、幹部に登用すると、コンプライアンス問題の噂は普通に発生します
どこまで本当か追及しきれないのがツライところなのですが、どの社長さんも頭悩ましているようです
また、わざと陥れようと、ライバル社員が根の葉もないうわさを流す場合もありますので要注意です
全部が全部そうではありませんので、誤解なきよう
◇トップの性格/考え方
これも大きいですね
これが一番大きいかもしれない
日本人同士で話ししてた方が楽ですし、忙しさにかまけて面倒なこと(ローカルとのコミュニケーション)をしないことはありがちです
会社によっては、ローカル社員が報告する会議に出席しても、
会議の終わりまでローカル社員の一方的プレゼンで終わって、途中双方向の議論はなし、
会議の最後のトップコメントのみ
みたいなことは結構多いみたいです
言葉の問題、意志・思いの通じにくさ、現場に行く面倒くささ等、ローカル社員とコミュニケーションを取る壁はあります
この壁を超えるのは少しエネルギーが必要なのは確かです
このエネルギーをローカル社員ではなく、日本の本社に向けて使う人が多いのも残念な事実ではあります
ローカル育成しても、日本は評価してくれないこと多いですから
ローカル社員とコミュケーションは重要か
だれに聞いても、「仕事においてコミュニケーションは重要」と間違いなく言います
私も、当然そう思います
そして、多くの海外出向経験者は「現場とのコミュニケーションを大切にしてきた」と言います
しかし、現場社員は「〇〇社長さんは、全然現場来なかった、話ほとんどしたことない」という話は結構聞きます
理由は、二つ
①実際には、コミュニケーを取っていないのに、取ったと言っている
②コミュニケーションとった気でいてる
①は悲しい現実としてあります
先にも述べた通り、ローカル社員とのコミュニケーションにエネルギーを注ぐより、日本の本社に向かってエネルギー使った方が評価される場合が多いですから
②について少し話してみます
下記のようなケースがあると思います
例① 会議での最後のコメントでコミュニケーション完了(先ほどの事例)
例② 日本語で話しかけ、伝わった気になっている
例③ 日本人に伝えて、ローカルに伝えた気分になっている
こんな感じではないでしょうか
結局、重要と言いながら、それほど強く意識していないことになりますね
しかし、ローカル社員とのコミュニケーションは本当に大切です
ローカル社員は経営トップの言葉を待っています
これは私の経験の中で間違いありません
特に東南アジアはヒエラルキーが非常に強い社会です
社長の考えを理解したら、心ある社員は必ず動いてくれます
ただ、理解してもらうには強烈なエネルギーが必要です
彼らは理解できていなくても「理解できた」と言います
それで、何度でもガッカリしてきました
でも、それで諦めたら社員は理解してくれません
「強い思いで、言い続ける」
海外に限らず人の上に立つ立場の人間として、大事な行動の一つです
ローカル社員とコミュニケーションを取るために
ローカル社員と十分なコミュニケーションを取るためにどうするべきか考えてみます
まずはコミュニケーションを取れない理由から挙げてみます
①本社志向
②コミュニケーションをとった気でいる
これはすでに述べました
③言葉の壁
④伝えるのに時間がかかる
⑤他の日本人の立場に気を遣う
⑥非常にエネルギーを使う
⑦伝えるべき「思い」を持っていない
こんなとこでしょうか
⑦は論外として(こんな人がトップになると、社員は不幸ですが・・・)
③言葉の壁
せめて英語は頑張りましょう
ペラペラにならなくていいです
しゃべる訓練だけでもしましょう
ただし、ローカル言語はしんどいですね
④伝えるのに時間ががかる
これはマネジメントの基本です
粘り強く頑張りましょう
⑤日本人の立場に気を遣う
日本人と話する方が楽なのも背景にありますが、ローカル幹部とトップとの間に日本人がいると、日本人の立場に気を使い、ローカル社員に直接話するのをためらいうこともあります
その時は、必ず両者に伝えるようにしますが、何かと気を使いますね
⑥非常にエネルギーを使う
上の③④⑤をするにはエネルギーがいります
非常に疲れます(性格によるとは思いますが)
私は長くやってますが、それでも疲れてクタクタになります
こう考えてくると、結局は
「ローカル社員とコミュニケーションを取るぞ」との強い意志
これに集約されることになりますね
まとめ
海外勤務においてローカル社員と出向者の経営トップとのコミュニケーションついて書いてみました
会社を成長させようとすればローカル社員とのコミュニケーションは必須です
心あるローカル社員をそれを待っています
強い意志で実行し、充実した海外勤務にしていきたいものです
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