“戦略” 仕事でよく使うけど、話がかみ合わないのはなぜ?経営戦略の3つのレベル

ものづくりの話

仕事で会話するとき「戦略」ってよく使います

でも、会話がかみ合わないときありませんか

上司は、事業のポートフォーリオみたいな話をしてるけど、自分はこの事業の競争優位の方策について語りたい

みないな

“経営戦略”もしくは“戦略”といっても、その中身は3つのレベルに分かれます

どのレイヤー戦略について話しているかで議論はかわります。

「戦略を明確にせなあかんなぁ」

例えば、ですが、「X事業の戦略は?」と聞かれ

「その地域の競合商品の競争力から判断し、A商品はこのような特徴があり、のでB地域に、C工場で生産して・・・・」

と語ると

ある人は

「その前に、弊社におけるX事業のポジションは?」

「M&Aによる事業拡大は?」

みたいな話に変わって、全く議論がかみ合わないことありません?

自分は、商品の競争力を強化して、他社に対し優位になる戦略の話をしたいのに、事業の在り方みたいな話

悪く言えば、とにかく、主語を大きくして抽象性を上げる

逆に企業の中での事業の位置づけや、多角化の話をしたいのに、全体像を語らず、具体的な話ばかりする

“戦略を語ろうと”を議題にすると、どうもこのようなことになり、結構ストレスになります

経営戦略の3つのレイヤー

上記のような現象は、経営戦略の中での、どのレイヤーについて議論するかを参加者が共通の意識として持っていないと発生しています

経営戦略には3つのレイヤーがあります

  • 企業戦略(成長戦略)
  • 競争戦略(事業戦略)
  • 機能戦略

図にするとこんな感じでしょうか

企業戦略(成長戦略)

名のごとく企業全体を対象にした戦略です

少し大きい会社になると、いくつかの事業から構成されていることがおおいので、これらの事業をどう組み合わせれば、会社として最も成長可能性が高いかを考えていく戦略です

事業ポートフォーリオを明確にし、全社のリソースをどのように配分する、時にはM&Aも含めた方法で全社の成長を図る、

場合によっては、事業を撤退する判断とかも含まれることになります

競争戦略(事業戦略)

企業全体の単位ではなく、事業単位の戦略になります

事業毎に競合他社にどのように戦うのか=競争優位を築くのかを考える戦略です

事業のポジショニングを分析し、競争優位の戦略を考えるのは、マイケル・ポータ先生のファイブ・フォーシーズが有名ですね

事業のポジショニングだけでなく、自社のリソースをベースに考えて強みを生かす戦略もあります

ポジショニングにしてもリーソースベースにしても、他社との違いを出すことが一番のポイントになります

機能戦略

事業戦略を実行するために、社内の各機能がどのように動くかを考える戦略です

企業には、開発、製造、営業、人事、財務、マーケティング等いろんな機能があります

それらが、競争戦略を実現するために何をするかです

少し前までは、あまり事業戦略とは遠い存在だった、人事戦略のウエイトが、最近は高くなっているように個人的には感じています

経営戦略の様々な分類

企業戦略、競争戦略、機能戦略以外にも分類の仕方はあります

代表的なものとは、時間軸で分ける長期、中期、長期戦略

他にも、組織戦略、市場戦略、製造拠点戦略みたいに展開される場合もあります

まとめ

戦略にはレイヤーがあるということをお話しました

内容的には、戦略本を読めばどこにでも書いている内容です
(このブログのように薄っぺらい内容ではなく)

大事なことは、どのレイヤーの戦略について議論しているかをまずは共通認識することかと思います

「そんなんあたりまえやん」と思う人多いと思いますが、

経験的に、違うレイヤーの戦略を語り始める人、結構多いですよ

そういう人に限って、話がなんとなく綺麗で、最もらしく聞こえるので困ります

現場の社員が動きやすい、部門に展開しやすい、わかりやすい戦略が嬉しいですね

私は、いくつかの事業の海外製造部門が集まった海外生産会社で仕事しています

全社戦略に直接触れることはあまりありません
(過去、工場を閉鎖したときは全社の戦略の一環でしたのが)

多くは、事業部門の競争戦略に従い、それを実行することを現地製造法人の役割と考えています

この、競争戦略に具体性がないと、現地の仕事はホントやりにくい

是非現場が動ける、戦略にしていただきたいものです

【海外工場の経営者へ】親元と現地会社の関係:事業責任と経営責任を明確にするべき
「日本の親元と現地の関係」について悩んでおられる、海外会社の経営者の皆様に、「事業責任」と「経営責任」の考え方をお伝えします。ぜひ参考にしてください。

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