製造現場と経営層とのコミュニケーション

ものづくり

海外での製造現場

いかに現場情報を知り、フィードバックし改善につなげていくか

工場を成長させていくために必要かつ基本的な活動です

しかしながら、経営幹部として

現場のラインリーダーやスーパーバイザーと経営層とのコミュニケーションについて、結構試行錯誤しています

月次の会議や日々の日報でなく、週次での情報共有、状況によっては現場での日々の状況確認が有効です

製造状況を共有する目的

出荷状況、生産台数、いろんなロス(部品、品質、設備など)、人員、在庫 いろんな情報があります

各部門の課長/部長はそれらの状況を常にレビューします

その目的は大きく二つ

1.トラブル発生時の処置を行い、トラブルによるロスを最小限にする

2.情報をもとに日々の改善活動を行う

この記事では主に2.の改善活動について話したいと思います

経営層が製造の状況をどのように知るか

製造のいろんな情報を知るためにどのようにするか、

ITが進んだ会社(いまならDXって言葉を使いますが)ならリアルタイムで製造のいろんな情報を共有することができます

そこまで進んでいなくても、日々の生産状況はなんらかの方法で共有する仕組みはあるかと思います

その情報を、経営層はどのようにするのが良いのか

「毎日リアルタイムで状況を確認し、トラブル発生時には素早く対応する」

会社の規模によるかもしれませんが、これを経営層が毎日するのはちぃとキツイですし、本来は現場の責任者がするべき仕事です

そうしたら、生産台数、品質の状況、生産のロスや稼働率の状況、改善活動などはいかがでしょう

工場の経営者としては常にフォローすべき基本的な情報です

よくあるスタイルは、月次の生産会議、品質会議、改善会議等で報告を受ける形でしょうか

私も、長くこの方式で工場の状況をフォローする方法をとっていました

実際、日本企業の場合、会社のマネジメントを月次でする場合が多く、工場の状況もそれに従っている感じですね

月次サイクルの問題点

しかしながら、月次サイクルで廻すと、どうしても情報が古い

大きな品質トラブルや、部品トラブルは緊急報告はあるものの、本当の現場の状況は見えているのか?

と言えば、月次のフォローでは全く見えない

「先月は〇〇の品質問題が発生し、対策を行いました」

こんな報告をきれいなパワポ資料で受けも、すでに情報としては一か月近く前の情報です

さらに、対策に問題があり指摘しても、現場のリアリティは既に遠いかなたの記憶です

週次サイクルでのフォローアップの勧め

経営層として日々の問題を追っかけフォローこれは会社の規模にもよりますが結構難しい

しかし月次では情報が古すぎる

ですので、私は週次でのフォローをすることを勧めています

「社長、一週間に30分くらい仕事せんかい」

って話です

毎週、30分、工場、調達、営業(ロジ)人事、品質の部長クラスが集まり先週のレビューを行う

レビューの内容は 

安全、品質、生産(調達、設備含む)、出荷、人事(出席状況)

出荷の実績、生産の実績、ロスの状況(設備、部品、品質、人員)を確認

先週の問題をピックアップしその解決策について議論、情報共有
すべての問題を話ししてたら時間が長くなるので、重要案件2~4個ピックアップ

これらを短時間で行う

日々の状況確認やトラブルの処置は緊急的に現場で行い、週次ミーティングではトラブルの根本的対策、再発防止について話す方がいいです

◇週次ミーティングのメリット

関係部門が全員集まりやすく、問題を関係者全員で話できる

情報が新しく、タイムリーな議論ができる
(毎日フォローにすると、情報過多でマンネリ化しやすい)

傾向を見やすい
(毎日見ると見落とす傾向を週次で見ることで見えてくるものがある)

経営者が工場の状況を把握するには一番適切な単位と思います

現場とのコミュニケーション

週次ミーティングを部長クラスのみを集めて実施することをお勧めしています

理由はアジアの組織は日本以上にヒエラルキーが強いから

社長が現場レベルにいくら強く訴えてもその中間の階層がその社長の言った内容を理解し、現場に卸さないと現場は動きません

ですので、社長の方針はその下の部長クラスとコミュニケーションをとり

その内容を、次の層(部長ー課長)、さらに次の層(課長ー現場リーダー)と展開することが理想です

しかし、なかなか「部長~課長~現場」へと伝わらない場合が多い

理由は

1.中間管理職が社長の考えを理解できない、理解しようとしない

2.伝え方がわからない

の二つがあるように思います

1.は丁寧に粘り強く伝え方を工夫し会話していけば、時間はかかるかもしれませんが、何とかなります

2.の問題は、しっかり教えなければ無理ですね

ですので、方法を教えるために、一時的には階層を飛ばして、現場~課長~部長~社長(経営層)が一緒になって日々の結果を追っかける活動が有効です

前日の生産結果を現場で聞き、問題点を理解、対策の方向性を話し合う

現場は、困りごとを日々上司に伝える、上司はしっかり聞く、できるものから解決していく

工場として当たり前ことです

しかし、日々の生産に追われていると、レビューを怠りがちです

それを、月次の会議に合わせて資料つくりだけして帳尻合わせになりがちです

時には経営層が乗り込むことも必要かと思います

日々のレビューが習慣になるまで経営層が参加して日々実施します

できている会社は、問題ないですけど、長年の間にルーズになっていないか確認は必要です

この時大事なのは、感謝

生産が上手くいけば「生産達成ありがとう」 ロスが発生すれば「ロスを見つけてくれてありがとう」

これをすれば、間違いなく現場のモチベーションは上がります

まとめ

経営層が生産現場の情報を、どのように得てフィードバックかをまとめてみました

従来での月次のサイクルでは、着飾った資料が出てくるだけで現場の声はなかなか伝わりません

まずは週次でレビューしてみましょう

そしれ位置的には日々のフォローに経営層も参加して、現場の状況直接聞くとともに、課長・部長に現場のフォローの方法を見せることも、今、それができていない工場には有効な手段です

現場の状況がタイムリーに伝わる仕組みを作ることで、モチベーションの高い現場構築を目指しましょう

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